夫婦とふたごとネコ一匹

家族で起きた事件(?)を基に四コマ漫画を描いています。

ムスメのカノジョ

LGBT 彼女

LGBT 彼女


大学受験の正念場 

 妹の藍ちゃんはすでに推薦で大学進学が決まっている。何事もそつなくこなす性格だからか、人生の重要なステージでも軽々と越していく。うらやましい限りだ。学費も奨学生だからそれほどかからない。親からすると孝行娘だ。かたや咲ちゃんはそもそも推薦などというものがない大学を目指しているのでセンター試験、それから二次試験に臨む。受験といえばそういうものだと思っていた。今からが勝負だからか親だけでなく藍ちゃんも咲ちゃんの動向にビクビクしている。朝と夜の送迎だけでなく食べ物や体調管理までに神経は及ぶ。早く終わって欲しい。

 

卒業旅行計画

 そんな時に降って湧いた藍ちゃんの卒業旅行計画。私の学生時代はさておき今の高校生はそういうものなのだろう。高校生でも思い出作りのために友達とどこかに旅行にいくという事が至極当然な様な感じなのだろうか。まあ別にカレシとの旅行というわけではないのだからピリピリする必要はない。相手は中学校から一緒で高校も同じ友達。3月の春休み中に都内で行われる何とかさんのコンサートへ泊りがけで行きたいらしい。旅行といえば温泉という固定観念に囚われた大人からすれば旅行?というほどでもないかもしれないが高校の最後のイベントとして一生の思い出になるのであれば親として送り出さないわけにはいかない。それにここで揉めて、未だに続く咲ちゃんの受験に影響は及ぼしたくはない。それにコンサートチケットはすでにゲット済みだ。キャンセルは効かない。

 

ムスメのカノジョ

 本当ならば受験が終了するまで波風を立てたくはなかったため咲ちゃんには藍ちゃんの卒業旅行のことは秘密にしたおきたかったが、咲ちゃんへは早々とバレてしまった。藍ちゃん本人がうっかり喋ってしまったからだ。咲ちゃんが問題としたのは卒業旅行そのものでもなくコンサートへ行くことでもない。誰と卒業旅行に行くかだ。当然であるが咲ちゃんと藍ちゃんは同じ近所の中学校に通っており今回藍ちゃんが卒業旅行に一緒に行く友達のことも良く知っている。私も見知っていないわけではなく、藍ちゃんの部活の遠征の時に車に乗せたことがあった。運動が好きでボーイッシュな藍ちゃんとは真反対のガーリーな女の子。藍ちゃんとその娘のどこに接点があるのかと思うくらい雰囲気が違うあの子が今回の卒業旅行に絡んでくるとは思わなかった。

 咲ちゃんに言わせれば、その娘は女の子が好きな女の子だ。つまりムスメのカノジョだ。

 

LGBT

 誤解がない様にしたいが、別に女の子が好きな女の子に何か言いたいわけではない、LGBTが話題に上る昨今、肯定も否定もしない。ただしそれはテレビのスクリーンの向こう側に存在する架空の世界であったからだ。現実として身近な存在となれば話は別だ。それでいても肯定も否定もしないスタンスは変わらない。藍ちゃんもすでに18歳を超えている。今の法律的には投票の権利を持つ立派な大人だ。それにどう転ぼうと私たち家族の一員だということには変わりがない。

 

問題の本質は私自身の心

 ではなぜ私がこんなにも動揺しているのかというと、どの様にしてムスメに関する真実を知ればいいのかということとその真実に自分自身が真正面に向き合えるかどうかということだ。妻から漏れ聞こえる藍ちゃんからの告白を待つしかないのか。それともこちらから勇気を持って真実(何の真実?)を本人に聞くべきなのか。いや、そっとしておくことこそが良いことなのかもしれないがどちらにしろ一番の問題は私の内にある不安そのものなのかもしれない。受験の正念場の咲ちゃんに影響がない様にと心配したが当の本人はサバサバしたもの。私が一番動揺している。

 

追伸

 ムスメのカノジョの存在がわかったためなのかわからないがブログが止まってしまった。この記事も公開するかどうか迷ったがこれを乗り越えないとブログが止まったままになってしまうのであえて公開する。まあ、アクセスもそんなに多いわけではないが。